地上の星
寝ても覚めても中島みゆきという日々を送りつつ、なかでもやはり「地上の星」はすばらしく、さらにそのなかでもこのライブ版はとても良い。中島みゆきの表情、ドスの利いた声、あごをくいっとやる仕草。
NHKプロジェクトXのテーマ曲だった。いつかの紅白では黒部ダムのトンネルでこの曲を歌った。ヘッドライト・テールライトも好きだけど、やはり地上の星は僕にとって格別な感じがする。
悪い男
とてつもない名作には、うまい感想が浮かばない。「うつせみ」に始まり、「受取人不明」、「サマリア」、「ブレス」など、キム・ギドク監督の作品を続けてきて観てきたけれど、「悪い男」は格別に良い。
主人公のセリフが極端に少ない映画を好むのはなぜだろう。北野武監督の初期の作品にもその傾向があるけれど、「悪い男」にはその必然性がストーリーのなかで感じられるから、なおさら良い。
これ、ほんとすごい。この映画の良さを表現するだけの語彙量が僕にもっとあればいいのにな。下手に書くと本質が逃げる気がして書けなくなってしまう。
こういう映画にめぐり合うのは数年に一度だと思う。
受取人不明
これもキム・ギドク監督の映画。米軍が駐屯する小さな村で暮らす3人の若者の悲しい青春を切々と描く。
ここまで絶望的な映画もそうそうないだろうというくらい、とにかく暗く、痛々しい。たっぷり2時間、映画の舞台の村に閉じ込められたような閉鎖感が息を詰まらせる。
うつせみ
留守宅に入り、住人が戻るまでに洗濯や食事をする行為を繰り返す謎の青年。ある日侵入した豪邸で、暴力夫に軟禁状態にされていた女性と遭遇してしまう。青年は女を連れ出し、今度はふたりで留守宅を転々とするようになる。
終始二人の会話はない。主人公の青年にいたっては、セリフはひとつもなかったように思う。この静かさは北野武の「あの夏、いちばん静かな海」にもちょっと似ている。
たぶん、最近観た映画の中ではもっとも良かった。こういう映画を作るキム・ギドク監督のセンスというのはどういうものだろう。まさに鬼才としかいいようがないな。
息もできない
家族のしがらみのなかで、社会の底辺をもがきながら生きるサンフンとヨニ。息もできないという題のとおり、本当に息もできない、いや息はしたけど、とにかく安直な救いは一切ない話。
主演のヤン・イクチュンは、製作、監督、脚本までこなした。チンピラ風情が妙に板についているのはなぜか。
最近見る韓国映画はあたりが多くてうれしい。