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チェンジリング

実際にアメリカで起こった事件を映画にした「チェンジリング」。邦画以外でひさしぶりに心がふるえるほどの傑作に巡り合えました。

当初ミステリーを想像していた僕は度肝を抜かれることに。悲劇だけど、過度に恐怖感を煽りたてたりせず、あくまで母親の強さを主体にした脚本と、それを見事に映画化したクリント・イーストウッド監督はすばらしい。

ドラマチックな演出で涙を頂戴する映画は数あれど、観終わった後、その余韻で自然に涙を流せる映画というのは、そうそうないものです。

"シーズン"ばかりが延々続くへっぽこ海外ドラマに毒される前に、これを観ることをオススメしておきます。


すべては海になる

佐藤江梨子と柳楽優弥のダブル主演。このふたりの組み合わせは嫌みがなくていい。

佐藤江梨子が好きと言うと、「いやー、ニガテーだわ…」と返されることが多いのだけど、きっとバラエティにも出てた頃の印象が残っているのだと思う。少なくとも女優として面白いとおもうんだけどな。


マイムマイム

シネフィル・イマジカで深夜放送していて何気なく観た邦画「マイムマイム」。すっごい良かった。特に公式サイトとかないようだけど、ぴあフィルムフェスティバルで準グランプリをとった自主映画だということはわかりました。

低予算でアマチュアの俳優使ってここまで良い映画撮ってる人がいる一方、大金使って有名な俳優使って「北京原人」とか「デビルマン」とか、そういう歴史的な失敗作を世に送り出す人もいる。

若くてセンスがある岨手由貴子さんのような監督が、将来商業ベースの映画を作ったときに、そんなふうになってしまいませんように。


トウキョウソナタ

なんとなく借りてみたんだけど、期待をはるかに上回る神映画でした

表面上は平和な家庭。でも家族のそれぞれが秘密を持っていて根っこの部分では不協和音が流れている。その綻びは次第に拡がりはじめ、家族崩壊の危機に。このストーリー展開は「空中庭園」のそれとそっくり。どちらも小泉今日子が母親役というところまで一致しています。両映画とも違った良さがありますが、「空中庭園」の刺々しさが苦手だった方も「トウキョウソナタ」なら観れるはず。

それにしても、本当に良い映画です。ここ最近観たなかではダントツでした。やっぱり邦画はこうでなくっちゃダメだよ。


プリート・パルン作品集

ラピュタ阿佐ヶ谷に行ってきました。僕はここの近所に住んでいるくせに今まで一度も行ったことなかったんです。というか、前を通ったことすらなかった。

記念すべき初ラピュタで観たのはエストニアのアニメーション作家、プリート・パルンの作品集。

正直ストーリーとか不条理すぎてよくわからないものが多かったのだけど、慌てんぼうのタヌキが主人公の作品は結構良かった。騙し絵をアニメーションにしたような作品で、想像を覆す展開がテンポよく続く。いちいちストーリーを追わなくても楽しめます。

今はエストニアのアニメーション作品のほか、ユーリー・ノルシュテインの作品集も上映しているので、そのあたりに興味のある方は足を運んでみては。


ぐるりのこと。

リリー・フランキーと木村多江が扮する夫婦の物語。夫のほうは法廷画家の仕事をしているので、裁判のシーンがたびたび出てくるのですが、それがかなりリアルで痛々しい。そのシリアスさと、夫婦再生のシーンとのギャップが良い効果を出していました。

木村多江は幸の薄い役がよく似合います。白い巨塔のときも思ったけれど、この女優さん、泣く演技が超うまいんですよね。

最近観る邦画はあたりが多くてうれしい。


100万円と苦虫女

観た。すごく良かった。

僕が蒼井優大好きだということで、ひいき目に観ている部分はあるのだが、それを差し引いても面白い映画だと思う。森山未來やピエールの演技も素朴で良かったな。

ちなみに、知る人ぞ知る名俳優、山本剛史もちょびっとだけ出てます。予想外だったので気づいたときは嬉しかった(僕はこの俳優さんの大ファンなのだ)。

レンタルできるのでまだ観てないという方におすすめしておきます。

こういう邦画がたくさん増えるといいな。


ディファイアンス

こういう映画ってすごくひさしぶりの登場なんじゃないかな。戦争に関連した映画の公開がめっきり減ってしまっている印象がありました。

オフィシャルサイトでは、映画の予告編だけでなくて、当時の実際の映像を、ストーリーの時系列に応じて観られるようにしてあるようです。


アキレスと亀

20日公開だった「アキレスと亀」。さっそく観てきました。

まあまあ良かったです。これまでの北野武のギャング映画とも、「監督・ばんざい!」などのオバカ映画とも違う、新しい雰囲気の映画でした。

後半になるとビートたけしが出てくるのですが、彼はもう、普通にしゃべっているだけでなんか面白いです。それから、麻生久美子が年をとって樋口加南子になるのですが、ふたりの顔はとても似ていて違和感がありませんでした。


パラダイス・ナウ

イスラエル占領下での生活に苦しむパレスチナの二人の若者が、自爆攻撃へと向かう過程での心の葛藤を描いた映画。

この映画に真実味が感じられるのは、パレスチナあるいはイスラエルの、どちらか一方の側に偏らず、かといって第三者的な立場を気取る事もなく、今起こっている現実のひとこまを、ありのままに切り取って映像化しているように思えるからでしょう。

前半の、二人が丘に座りのんびり水たばこを吹かすシーンが、ラストの重々しさとのギャップと相まって、とても印象に残っています。


トニー滝谷

原作は村上春樹の短編。ほとんど小説を読んでいるかのような、たんたんとした展開の映画。どうしようもなく暗いストーリーなんだけど、それが良い。あと、宮沢りえの線の細さが良い。

「レキシントンの幽霊」にはこれ以外にも地味ながら味わい深い短編が収められています。「七番目の男」や「沈黙」もうまく映画化できたら、とても面白いんじゃないか。


腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

映画「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」を観て大感動。これは大変な傑作でした。佐藤江梨子がすごく輝いてみえます。

原作は本谷有希子の小説。他にもいくつかトゲのありそうな話を書いているので注目しています。しかも美人さんなんですねー、この人。


TAKESHIS'が楽しみで仕方がない

::::: TAKESHIS' :::::

Office Kitano待望の新作「TAKESHIS'」が、いよいよ来月公開されますので、今から大変ワクワクしております。

今までビートたけしが出演している映画、あるいは北野武が監督の映画は、ほぼすべて見てきたというくらいに、俳優としても、監督としても、僕は大ファンなわけです(芸人としてはまあまあな案配にファン)。ジャンルを無視して考えると、ビートたけしの僕のなかでのファン度ランクは、圧倒的に1位です。そして、2位には及川奈央がランクイン。

さてさて、それでもちまして、コミュニティではすでに試写会で見てきた方の感想っぽいものが書き込まれているのですが、どうやら賛否両論あるだろうな、とか、はたまた最高傑作だ!とか、そんな感じのもののようでした。うん、賛否両論あるのは、どの映画もそうだとは思いますが、僕はもう映画の中のビートたけしが拝めれば、内容はどうであれ、大方満足してしまうはずです。

例えば、Dollsもそうですが、公開されてからの評判は芳しくなかったのですが、僕の短い人生の中では、確実に邦画ベスト5にランクインしています。(おや? Dollsには、ビートたけし出てなかったような。まあいいや)

だから、内容とかはある意味どうでも良いのです。北野武監督曰く、「主張のある映画はあんまり好きじゃない」とかなんとか言っていた通り、彼の映画の中で、明確に「言いたいコト」みたいなものはないわけでして、僕も別に何も感じ取ってません。要は雰囲気が重要だということです。はあ、楽しみ!

公開初日に見てきた。まずまず、よかった。


嗤う伊右衛門

映画『嗤う伊右衛門』を見ました。

原作は2年くらい前か、もっと前か忘れましたが、すでに読了しており、映画化されたことは知っていたけれど、原作を知っている映画を観て幸せな思いをしたケースに覚えがないといいますか、大抵の場合無念なことになるケースばかりですので敢えて鑑賞を控えていたのです。

それがなぜ観てみることにしたのかというと、レンタル店で何気なくパッケージを眺めたときに、そのキャスト陣に松尾玲央の名前があるのを発見したからです。彼女は『ほとけ』や『フィラメント』で「強い男に付いてまわる頭の悪そうな女の子」といった役どころに、グッとくる演技を醸しており、なかなか好印象だったのを覚えておりました。また、松尾玲央に改名する以前は「不二子」という名前で活躍しており、そのかなりイカした響きも良い案配だと、これまたグッときていたわけです。

肝心の伊右衛門役の唐沢寿明と岩役の小雪は、僕の好みとは外れた俳優ではあったのですが、まあ観てみないことにはそれもわからないし、とりあえずなんか不二子だし、ってことで借りてみることにしたのでした。

それでまあ結果としましては、はっきりこれは失敗でした。

前半のあたりはスパゲティ状に絡んだ人間関係を、ほとんど詳説せずに進んでしまい、原作を読んでいたから足りない描写をなんとなく補完できたものの、それでも途中でわけがわからなくなってきてしまいました。映画で初めて本作に触れた方は相当な理解力を要するのではないかと思うのです。

後半に入ってもそのあたりのもやもやはすっきりすることなくストーリーは進み、堂々巡りの哀しい因果関係を、映画からでは汲み取ることができないままエンドロールを迎えることになります。

それにしても原作とは外れたラストシーンの演出は何を意味していたのか、変えるなら変えるなりに上手いことその意図が伝わるようになっていたら、それはそれで良いと思うのですが、あれじゃあ無念です。

少なくとも原作に感銘を受け、じゃあ映画を観てみようという人にはちょっと向かない作品になってしまったのではないかと思います。

で肝心の不二子というか、松尾玲央ですが、それなりに重要な役どころを上手に演じてはいたとは思うのですが、なんか暗くて良く顔も見えないし、映画自体がつまらなければそっち系(どっち)な楽しみ方もあるなと思っていたのですが、それも結局、許されませんでした。

やはり「原作を既読していると映画が無念に思えてしまう」という定説は破れなかったといいますか、端からこうなるとは思っていたからこれまで観てこなかったわけですから、残念にも予想通りではあったといえましょう。

もし映画だけを観て『嗤う伊右衛門』はつまらないよ、と感じた方がいらっしゃいましたら、ぜひ同名の原作を読んでみてください。すばらしいです。よろしくおねがいします。

ところで今度は『姑獲鳥の夏』が映画化されるみたいですね。
たぶんまたしばらくは観賞しないことにすると思うのですが、原作は高校のときに初めて読んだ記念すべき京極堂一冊目。あのある意味無茶苦茶なオチは、京極夏彦の分厚い価値観にはまり込んでこそすんなり受け入れられるものだと思うのです。原作では、前半部分にそれを説得力のある言葉で巧みに頭に叩き込んできますが、映画の限られた時間で果たしてどこまであの世界観を表現しきれるものか、見ものといえば見ものです。