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神楽坂恵

「午後の遺言状」上映前に園子温監督の「恋の罪」の予告編が流れていた。

また神楽坂恵を妻役で使ってるんだな。「冷たい熱帯魚」を観てからお気に入りの女優さんです。同じ監督にまた使われるというのは、女優としてキャリアの浅い彼女にとって、これから大きな自信につながっていくのだろうなと思う。

その反面、今の神楽坂恵の魅力って、女優として成熟してないからこその、不安定さ、危うさみたいなのが、園子温監督の作風、抜擢された役柄に超絶にぴったりだからなのではないかと思う部分もあって。

今後ももっと活躍してほしいけど、そのときに今のような魅力をそのまま保てるかが心配になります。


午後の遺言状

新藤兼人監督の「一枚のハガキ」の公開が近いからか、テアトル新宿で同監督の過去の作品のリバイバルが行われていた。たまたま通りかかって、時間がちょうどよかったので、「午後の遺言状」を鑑賞。

この映画を観るのは二度目なんだけど、本当に良い。すばらしい。ひとつの人間関係のひとコマを通して、生きるということ、老いるということ、死ぬということを、これだけシニカルに、コミカルに、ときにシリアスに描いた作品というのはあまりない。

これぞ日本映画の真髄だな、としみじみ思う。


異人たちとの夏

40歳の脚本家が昔死んだはずの両親に再会する。一方で同じマンションに住む妙齢の女性とも不思議な出会いが訪れる。1988年の映画で原作は山田太一の小説。

江戸弁が子気味良い片岡鶴太郎、妙に色っぽい秋吉久美子がとても印象的。片岡鶴太郎が俳優業を本格的にやるようになったのは、この映画の演技が評判だったのがきっかけだと思う。

ぽかーんと観てたのに、かえって涙腺が油断したか、後半ちょっと泣いてしまいました。


ぼくのエリ

生き血を吸って生きる少女と、孤独な少年のおそろしくも儚い恋の話。邦題の「200歳の少女」というサブタイトルはいらないと思う。

ところどころ、特に最後はかなり超展開なんだけど、押し付けて納得させようとせず、あっさり自然にやってのけるので、ただ圧倒されてイラつかない。

北欧の映画って、あんまり知らないけど、こういうのだったらほかにもっと観てみたいと思う。


春との旅

家を捨て、兄弟のだれかにお世話になろうとする老人と、その孫娘、春との旅。

偏屈で、わがままなくせに、弱虫で情けない。老人役の仲代達矢の演技が真実味があってすばらしい。そんな祖父を見捨てられない孫役の徳永えりも、自然体で良かった。

こういうごまかしのきかない映画で、力のある若い女優さんが、ベテランの俳優陣に囲まれつつ真正面から役にぶつかっていくのは、とても良いことだと思う。

やっぱり邦画はこうでなくっちゃね。


みんな夢でありました

森田童子の曲はどれもおそろしいほどに切ない。野島伸司が高校教師で「ぼくたちの失敗」をテーマ曲として使ったおかげでこの人を知ったんだっけか。

たぶん自分の過去や経験を詞にしているんだと思うけど、どの曲も全部一人称は「ぼく」なんだよね。「ぼく」に置き換えることでちょっと客観的に綴れる部分があるんだろうか。

10年後きっと今とは全然違う生活を送っていて、そのときこの曲をもう一度聴いたら、今の生活をまるでみんな夢であったかのように思うのかな。「今」から切り離されてしまった昔の思い出というのは、いつもこの曲のように懐かしく、切ない。