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英会話スクールに通ってた頃

残念なことに僕は英語が苦手です。だから海外のサイトを巡回するときなんかはとても苦労します。せめて話せなくとも読み書きに不便がないくらいになれればよいのですが、さして努力もしないので不便は当然でもあります。

ただ英語が得意ですよ、という人のほうが、実際は少ないのであって、そういう意味では人並みくらいであるともいえるのかもしれません。

最近は子供の頃通っていた英会話スクールのことをよく思い出します。

そこの教育方針は英語を教える、教わるのではなく、あくまで英語に触れるというスタンスで、今では子供向けのそういった方針の英会話スクールも増えてきたのかもしれませんが、当時はなかなかに先進的な教室だったわけです。

実際どんなことをするのかというと、「ピーターパン」や「白雪姫」といった童話を、教室の生徒それぞれに役を振分け、それをすべて英語で演じるというものです。教材は英語、日本語が交互に書かれたイラスト付きの本と、これまた英語と日本語を交互に繰り返すカセットテープで、繰り返し聴き、音読し、役を演じるという行為を通して、自然と英語に親しんでいきます。

通っていた生徒は小学生から中学生までで、学年や知識によってのクラス分けなどは一切行わず、みんなが一緒くたになってひとつの演劇を完成させるのです。

当然主役クラスの役にはセリフが多く設けられているので、これは小学校高学年の生徒や中学生が演じます。僕はというと、ガチョウだったり、ニワトリだったりと動物役ばかりで(それでも必ずひとつはセリフが設けられています)、ひどいもんでしたが、それでも一番大きい役をもらえたのは「ピーターパン」のネバーランドに旅立つ子供のひとり、たしかウェンディの弟でマイケルとかいう男の子で、子供ながらにとてもやりがいを感じ、嬉しかったのか、必死になって英語のテープを聴きまくった覚えがあります。

教室は週に2回、おおよそ半年間をかけて同じ演劇をひたすら練習し続けます。そして年に2回程同じ地区の教室の生徒、先生が一同に集まって発表会が行われます。教室によって明らかな英語力のバラつきがあったり、緊張でセリフを忘れ、ほとんど劇になってなかったりすることもありましたが、実際、そんなことはどうでも良かったのです。

僕が通っていたのは小学校1年から2年までの、わずか2年間でしたが、それがはじめて英語に直に触れた最初の一歩だったでしょう(その後二歩目がいまだありませんがw)。人前で演じるということも含め、いい経験になったと思っています。

なぜ2年間で辞めてしまったのか、もっと続けなかったのにはちょっとした理由があります。

その教室で演劇をすること自体はとても楽しく、友達も多くいたので嫌ではなかったのですが、子供ながらに、どうしてもそこの先生とだけは馴染めなかったのです。

先生は今思えばそんなに悪い人ではなかったように思います。ただちょっと人間が小さく、いかんせんヒステリックなところがあり、子供の立場にたった指導というものができていなかったように思います。
気に入らないと時には怒鳴り散らし、生徒に自身の主張を押し付けてしまっていました。ああしろ、こうしろとムキになってしまい、皆で演劇をしているのに、生徒はただ従うだけ。そしていつの間にか先生だけの一人芝居(文字通り)になってしまっていたのです。

子供達はそんなにバカではありませんでした。僕も含めてあの頃の生徒らはみな、嫌いな先生のこと、それにやむなく従っている自分達のこと、そして教室全体のことを一歩引いた目で見ていたように思います。
先生はひとつの演劇が、優れたものになるように努めていたのに対し、意外にも僕ら子供達は、団結し、教室がもっとすばらしい教室でいられるようどうすれば良いか、広い視野をもっていたのです。

やがて先生と生徒に間には静かな戦争が始まり、耐え切れなくなった順から無力ながらも先生に歯向かい、それでも解消されないことに落ち込み、以降来なくなってしまう、もしくは近くにある他の教室に移動してしまうということが頻繁におきました。挙げ句にはその親までが問題に口を挟み始め、子供の眼から見ても事態はさらに混乱していったと記憶しています。

あの時、先生が次第に先生の役割を超え、ボス化していってしまったことは残念でなりません。ただ、英劇の指導自体は当然密に行わなければならなかったでしょうから、生徒に対してひとつ距離を置くというのは、なかなかどうして難しいものだったのかもしれません。

僕は教室も演劇も楽しかったのですが、もう途中でイヤイヤ病になり挫折してしまいました。あの時残ったほかの生徒達と教室はその後どうなったのか、今でも気になるときがあるのですよ。ただ崩壊は時間の問題だったでしょう。いまはもうあの教室自体ないのかもしれないし、あったとしても、生徒は当然ながら、先生もおそらく変わってしまっているでしょう。

それにしても、組織とは、脆いものなんですね。

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